『こでねりまわりの物語』その31

樹廊 臣

2020年04月24日 04:20

 おはようございます。この記事は予約投稿です。

 私の作った物語『こでねりまわりの物語』その31です。
このお話はフィクションであり、登場する人物、団体、企業、事件等は
実在のものとは一切関係ありません


樹廊臣物語メルヘンシリーズ
 
               こでねりまわりの物語

             その31「2020年春の訪れ」



 2020年(令和2年)3月です。この当時、世の中は「新型コロナウイルス」という「新型肺炎」でみんな困り果てていました。さいわいこの物語の舞台である「涼海(りょうみ)県」にはウイルスは入って来ていませんでしたが。
「樹廊臣のこの物語はサザエさん方式だから、卒業式が中止になってもさほど困らないんよ。私もまた4月から中学3年生やるんだから。」朝賀部長さんは言いました。
 また今年度もこでなずさん達は中学2年生としてスタートします。サザエさんと同じで生長しません。そのつもりでよろしくね。

 さて、ここはオータムビレッジです。冬の間冬眠していたトーミンさん一家が冬眠から覚めました。
「おはよ。」
「おはよう。」
 と、家の外に出るトーミン一家。
「む、むむっ!まだ今日は4月2日のはず!4月2日に桜の花が咲くなんておかしい!なんか変だ!恐ろしいことでも起こっていなければいいのだが……。でもなんでこんなに早く桜が咲いているのだ?」トーミンパパは言いました。トーミン一家みんなも早すぎる桜の開花に、
「????」でした。
 そこへ、ターラくんが通りかかりました。
「やあ!あけましておめでとうターラくん!」トーミン一家は言いました。ターラ君は、
「明けましておめでとうございます。もう4月2日ですけど。」と、言いました。トーミンパパは、
「ターラくん、変だと思わないか?まだ4月2日なのに桜の花が咲いている。桜が咲くには2週間以上早いんじゃないかい?」と、言いました。ターラくんは、
「確かに桜が咲くには早すぎますよね。今年の冬はものすごい暖冬だったんですよ。冬がものすごく暖かくて、春が来るのもうんと早かったんです。」と説明しました。
 「あっ!トーミンさん。」そこへヤナさんも飛んできました。
「やあ!あけましておめでとうヤナちゃん!」トーミン一家は言いました。ヤナさんは、
「明けましておめでとうございます。もう4月で春ですけど。」と、言いました。トーミンパパは、
「ヤナさんも変だと思わないかい?今年はものすごい暖冬でもう桜の花が咲いている!不吉なことでも無ければいいのだが……。今年の東京オリンピックにパラリンピック、楽しみにしているのだが、不吉な感じがする。」と、言いました。するとヤナさんは、
「不吉なことが世界中で起きているんです!2020年東京オリンピックパラリンピックも延期になっちゃいました!」と、言いました。トーミン一家は、
「なんだって?!世界中で不吉なことが起きているのか?!東京オリンピックパラリンピックも延期?!我々が冬眠している間に、どんな不吉なことが起こったんだ?」と、ざわめきました。
 ヤナさんは、
「その不吉なこととは、新型コロナウイルスです。」と、言いました。トーミンパパは、
「はて、コロナというトヨタの自動車が昔有ったような……。」と、言いました。ターラくんは、
「車のコロナじゃありません。」と、言いました。
 するとトーミンママが、
「パパ。コロナって自動車じゃ無くて、ストーブとか作っている……。」と言いかけるとトーミンパパは、
「そうか!株式会社コロナという暖房機器を作る会社が……。」と、言いかけました。すると、ターラくんとヤナさんは、
「違います違います違います!車の名前でも、暖房機器を作る会社でもありません!『新型コロナウイルス』というウイルスが世界中にあふれているんです!このウイルスに感染すると、新型の肺炎になって、死んじゃった人も居るんです!それにこのウイルスは動物にもうつるんです!」と、説明しました。
 トーミン一家は、
「なんだかよく分からない?こういうときにはテレビのニュースを見よう。」と言って、テレビジョンのスイッチを入れました。
「ブーン。」約4か月ぶりに動き出すテレビジョン受像機。
「ジャーン!午後2時のニュースです。」と、アナウンサー。ターラくんとヤナさんは、
「最近のニュースはそのウイルスのニュースばかりですよ!」と、言いました。ニュースのアナウンサーは、
「まず、新型コロナウイルスの情報です。東京都では、新型コロナウイルスの陽性(ようせい)者数がどんどん増えています。東京都の小池都知事はじめ政府は、国民に外出自粛要請(ようせい)を出していますので、みなさん、不要不急の外出はしない用にしましょう。」等と言っています。ヤナさんは、
「陽性とか要請とか、『ようせい』って言葉がいっぱい出てきて困っちゃう。私、妖精(ようせい)なんだから。」と、言いました。
 「こんにちはー。あっ!トーミンさん。お久しぶりです。」そこへ現れたのは、こでなずさんとねりくんです。トーミン一家は、
「お久しぶりだねえ。あけましておめでとう。」と言いました。ターラくんは、
「こでなずさんもねりくんもマスクもしないで、家の中に居なきゃダメだよ。新型コロナウイルスが蔓延してるんだから。」と言い、ヤナさんも、
「そうよ。こでなずさんもねりくんもマスクもしないで危ないよ。ウイルスは目に見えないんだから。いつ感染するか分からないわよ。」と、言いました。こでなずさんは、
「多分ここには新型コロナウイルスは無いです。」と言い、ねりくんも、
「ここら辺で感染したって話を聞いたことが無いです。」と言いました。ターラくんとヤナさんは、
「甘い甘い甘い!目に見えないものは恐いのよ!せめてマスクくらいして、外出自粛してください!」と言いました。こでなずさんは、
「ターラくんもヤナさんも外出してるじゃない。」と、言いました。ターラくんとヤナさんは、
「う……。それを言われると……。春の気持ちいい陽気に誘われて外に出ちゃいたくなるんだ。」と、言いました。その時、テレビジョンでアナウンサーが、
「お出かけ日和(びより)で、外に出かけたくなりますが、コロナウイルス、うつらないうつさない。外に出たくても我慢の時です。」と言うのでした。
 「ふむふむ、フムフム。むっ!むむっ!」トーミンさんはテレビジョンで、今世界中が新型コロナウイルスにより、どのようになっているかを知りました。
「新型肺炎……。『新型コロナウイルス』で世界中は大変なことになっているのだな。恐い恐い。恐ろしいウイルスだ。」トーミンパパは言いました。
「だから、外出しちゃいけないって政府も言っているのね。世界は緊急事態なのね。」トーミンママも言いました。
 「よし!また巣ごもりしよう!」トーミンパパは言いました。そして結局、冬眠から覚めたばかりのトーミン一家は、
「では我々は、また冬眠する。違った。春眠(しゅんみん)だ。春眠する。」と言って家の中に入って行き、冬眠ならぬ春眠に入ってしまいました。
 「暖かいのに冬眠しちゃった。」と、ねりくん。
「冬眠じゃ無くて春眠よ。いつ起きるのかしら?」と、こでなずさん。そしてねりくんは、
「せっかくオータムビレッジまで来たんだから、気まぐれショップで今日は何を売っているか見てみたい。」と、言いました。気まぐれショップでは……。
 「いらっしゃい、いらっしゃい。今日はマスクを売ってるよ!」と、気まぐれ店主さんの元気な声が響いてきました。
「今はマスクが不足していて、みんな困っているから、わしの手作りマスクを売ってるよ!」と、気まぐれショップの店主さん。そのマスクというのが大きくて柔らかい葉っぱをくりぬいた物でした。でも、それが意外と使い物になるのです。
 「アベノマスクよりも使い物になる!」4月24日にみんなの元に安倍首相からの贈り物(アベノマスク)が届きました。気まぐれショップの葉っぱのマスクは日が経っても枯れず、アベノマスクよりもフィット感が良く、葉っぱのオーラでウイルスも防いでくれたのでした。しかも葉っぱの良い匂ひ!オータムビレッジのみんなは、
「気まぐれショップのマスク、意外と良い!」と、気まぐれ店主さんを褒め称えました。そして天使のターラくんは新型コロナウイルスの終息をおいのりし、妖精のヤナさんは「妖精の魔法」で新型コロナウイルスの終息を目指すのでした。
 早く例のウイルスの問題が解決しますように……。

               その31おわり          その32につづきます


コロナウイルス感染した人や医療関係者への差別はやめましょう!

コロナという車や暖房器具のコロナの会社が気の毒でしょうがないです……


2020年4月23日




次回の「物語」の発表予定は未定です。(現在その32を考え中)

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