2019年02月15日
小説『中学生も色々と』その486
おはようございます。この記事は予約投稿です。
今日のこのブログはこの小説だけです。
私の作った小説『中学生も色々と』第486話(その486)です。
このお話はフィクションであり、登場する人物、団体、企業、事件等は
実在のものとは一切関係ありません
今日もかなりひどい内容です。見ない方が良いです
樹廊臣物語中学生シリーズ
中学生も色々と
1991年頃に考えた話です
その486「暗井静見」
2019年2月14日木曜日です。中中を飛び出し、りょうみ鉄道に乗って暮日月駅という所まで来た暗井不機味。ここは田上からは30㎞以上離れたところです。当然暗井の知らない町です。
「何が何だか分からない。ここは本当に始めて来る町……。どこで死のうかしら……。」暗井は暮日月駅前をさまよっていました。
「汽車に轢かれて死のうかしら?そんなことしなくても、寒いから凍死するかも?寒いのは嫌だから、やっぱりりょうみ鉄道に轢かれて死のう。」暗井は恐いことをつぶやきました。暗井は本気で鉄道自殺をするつもりなのです。
「…………。」暗井は踏切に立ち、りょうみ鉄道の線路を見つめていました。そこへ……。
「てくてく。」前から知らないおばさんが歩いてきます。やつれた顔をしたおばさんでした。
「!」おばさんは暗井の顔を見て硬直しました。とてもびっくりしたような顔でした。そして、暗井の顔を見てこう言ったのです。
「しずみなの?」
「???」暗井には何が何だか分かりません。見知らぬおばさんは、
「あなた、中学生?学校はどうしたの?この近くに住んでいるの?」などと、矢継ぎ早(やつぎばや)に聞いてきました。暗井はその質問に答えることもできず、急に悲しくなって、
「うううしくしくしく。」と、泣き出しました。
「ううううしくしくしく。うううしくしくしく。」
「ぎゅっ。」突然おばさんは暗井を抱きしめました。そして暗井に、
「私の家に来てくれないかしら。あなたとお話ししたいの。」と、言いました。何が何だか訳の分からない暗井は黙って頷(うなづ)きました。
おばさんは暗井を薄暗いところにあるボロアパートに連れて行きました。暮日月駅前から10分ほど歩いた場所でした。そして暗井はそのアパートの表札を見て驚きました。
「暗井」
「私と同じ名字!」暗井は叫びました。おばさんは、
「おばさんと同じ名字なの。うれしいわ。やっぱりあなたは……。」と、言って暗井をアパートの中に招きました。
「サアサア汚い部屋だけどあがってちょうだい。あなたとお話ししたいことがいっぱいあるの。私の名前は暗井静香というの。あなたのお名前は?」おばさんがそう言うと、
「私の名前……暗井不機味……。」と答えました。おばさんは一枚の遺影を暗井に見せました。その遺影には黄色い髪で青い目の女子高生がとても悲しそうな暗い顔で写っていました。
「この子はね、私の一人娘なの。この子が高校一年だった約30年前の夏(1989年夏)、りょうみ鉄道の電車に体当たりして自殺しちゃったの。この子の名前は暗井静見。運動神経が悪い子だったから、電車の前に飛び出すつもりが、タイミングが遅れて電車の側面にぶつかり、全身を強く打って即死してしまった……。それからすぐのことだったわ。私の主人は『静見が自殺したのはお前が悪い』と私に言ってすぐに離婚してしまったの。それから安いアパートを点々としながら一人暮らし。」おばさんは暗井が聞いてもいないのに語り始めました。
「静見は暗くて無口な子だったけど、とても良い子だったわ。だけど日月高校でいじめられて、高校二年の夏にいじめを苦にして鉄道自殺をしてしまったの……。」おばさんがそう言うと暗井は、
「ええっ!いじめを苦にして自殺?!私もいじめられて嫌になってりょうみ鉄道に轢かれて自殺しようとしていたの!うううしくしくしく!」と、号泣しました。おばさんは号泣しながら、
「あなたは死なないでちょうだい。死なないでちょうだい。」と言いながら暗井を抱きしめました。そして、二人で号泣しました。
「静見はね、日月高校で『汚い』とか、『バイキン』と言われて差別されていじめられ続けていたの。そして、『死ぬわ、死ぬわ……私』と言って電車に飛び込んで……。うわわわーっ!」と、おばさん。
「うううしくしくしく。私といっしょだわ。私も、『汚い』、『暗井菌』といわれてすごく差別されていじめられて……。自殺するためにこの町まで来たの……。」と暗井不機味。二人ともすごく泣きました。
「おばさんね、あなたは静見の生まれ変わりだと思うの。」おばさんは唐突に言いました。それを聞いた暗井不機味は、
「ええっ?!」と、言いました。おばさんは、
「あなたはきっと静見の生まれ変わりだと思う。静見は30年前、いじめ自殺で、いじめ自殺という形でこの物語の作者に殺された。あなたは絶対に静見の生まれ変わりだと思うの。そして今日、おばさんの前に来てくれたのよ。」と、言いました。暗井不機味は、
「ええっ?!私がおばさんの娘の生まれ変わり?!」と、驚いて言いました。
「…………。」暗井は暗井静見の遺影を見ました。
「これが私?結構きれい……。」暗井静見は暗井不機味よりもずっと美人でした。
「私がこの人の生まれ変わりなの?」暗井不機味はもう一回言いました。おばさんは、
「そうよ。絶対あなたは静見の生まれ変わりだと思う!名字が同じ『暗井』なのも偶然じゃ無いわ!絶対に生まれ変わりよ!」と、言いました。暗井不機味は、
「でも私とおばさん、親戚じゃ無いよね。暗井って珍しい名字なのに……。」と、不思議そうな顔で言いました。おばさんは、
「確かに私と不機味ちゃんは親戚では無いわ。でも、それ以上のつながりよ!だって不機味ちゃんは自殺した私の娘の生まれ変わりなんですもの!」と、少し微笑みながら言いました。
なんと暗井不機味は、本当に1989年(平成元年)夏に鉄道自殺した暗井静見の生まれ変わりだったのです!当時、30年前にこの物語の作者が作っていた話でいじめられていた暗井静見の生まれ変わりだったのです。平成が終わろうとしている今、30年の時を超えて判明した事実(いえ、設定)でした。不思議なこともあるものですね。
その後、おばさんと暗井不機味は色々お話しました。
おばさんは暗井静見との思い出を。
暗井不機味は中学校でいじめられていることを……。
「マア!せっかく作ったバレンタインチョコを『汚い』って言われて捨てられた!ひどい!うわ~っ。」おばさんは暗井不機味がいじめられている日々を聞いて暗井といっしょに泣いてくれました。暗井不機味も、暗井静見がいじめられていた過去を聞いて、暗井静見直筆の遺書も見せてもらって、
「遺書に『汚い』とか『バイキン』とかって言われて差別されていじめられてつらかったことが書いてある。差別されていたなんて私と同じ!かわいそう!うううしくしくしく!」お、おばさんといっしょに泣きました。
「静見さんもこの物語の作者からひどいことをされていたのね!30年も前から!うううしくしくしく!」暗井不機味は泣きました。作者はただ起こっていたことを実況中継しているだけです!とにかく暗井不機味もおばさんも過去の不幸な思い出、今のつらい思い出を話し合って泣きました。
話し合っているうちに時刻はお昼12時になりました。
「静見が好きだったハヤシライスを作ってあげましょう。」おばさんは暗井静見が好物だったというハヤシライスを作ってくれました。それを食べた暗井不機味は、
「おいしい。」と、言いました。不機味はこんなにおいしいものを食べたのはウマシ教の料理以来久しぶりでした。
「静見はハヤシライスが大好物でね。やっぱり不機味ちゃんは静見の生まれ変わりだわ。」と、おばさんは言いました。そしておばさんは、
「静見が帰ってきてくれたみたいでうれしい……。」と、泣いていました。
昼食後、おばさんは、
「不機味ちゃん、帰らなきゃいけないんじゃないの?あなたのお父さんもお母さんも今頃とてもあなたのことを心配しているはずよ。」と、言いました。暗井不機味は、
「田上に帰るお金が無いの。4円しか持っていない。」と、言いました。おばさんは、
「電車代ぐらいあげるわよ。ここから田上駅までだったら確か300円ね。」と、田上に帰る列車賃をくれました。おばさんは暗井不機味に、
「不機味ちゃんは絶対に自殺なんかしないで!おばさんのためにも生き続けてちょうだい。」と、言いました。とにかく暗井不機味は立ち直り生きる元気が出てきました。
「日月のおばさん!ありがとう!」そう言って暗井不機味はりょうみ鉄道に乗り込んで田上に帰りました。
さいわいにも、暗井不機味は帰るのが早かったため、急な失踪も騒ぎにはなっていませんでした。そして、暗井不機味は静見のママである日月のおばさんを励みに高校受験に頑張るのでした。
その486おわり その487につづきます
次回の「小説」は2月20日の発表です
個人的メモ:2019-0213点検済
今日のこのブログはこの小説だけです。
私の作った小説『中学生も色々と』第486話(その486)です。
このお話はフィクションであり、登場する人物、団体、企業、事件等は
実在のものとは一切関係ありません
今日もかなりひどい内容です。見ない方が良いです
樹廊臣物語中学生シリーズ
中学生も色々と
1991年頃に考えた話です
その486「暗井静見」
2019年2月14日木曜日です。中中を飛び出し、りょうみ鉄道に乗って暮日月駅という所まで来た暗井不機味。ここは田上からは30㎞以上離れたところです。当然暗井の知らない町です。
「何が何だか分からない。ここは本当に始めて来る町……。どこで死のうかしら……。」暗井は暮日月駅前をさまよっていました。
「汽車に轢かれて死のうかしら?そんなことしなくても、寒いから凍死するかも?寒いのは嫌だから、やっぱりりょうみ鉄道に轢かれて死のう。」暗井は恐いことをつぶやきました。暗井は本気で鉄道自殺をするつもりなのです。
「…………。」暗井は踏切に立ち、りょうみ鉄道の線路を見つめていました。そこへ……。
「てくてく。」前から知らないおばさんが歩いてきます。やつれた顔をしたおばさんでした。
「!」おばさんは暗井の顔を見て硬直しました。とてもびっくりしたような顔でした。そして、暗井の顔を見てこう言ったのです。
「しずみなの?」
「???」暗井には何が何だか分かりません。見知らぬおばさんは、
「あなた、中学生?学校はどうしたの?この近くに住んでいるの?」などと、矢継ぎ早(やつぎばや)に聞いてきました。暗井はその質問に答えることもできず、急に悲しくなって、
「うううしくしくしく。」と、泣き出しました。
「ううううしくしくしく。うううしくしくしく。」
「ぎゅっ。」突然おばさんは暗井を抱きしめました。そして暗井に、
「私の家に来てくれないかしら。あなたとお話ししたいの。」と、言いました。何が何だか訳の分からない暗井は黙って頷(うなづ)きました。
おばさんは暗井を薄暗いところにあるボロアパートに連れて行きました。暮日月駅前から10分ほど歩いた場所でした。そして暗井はそのアパートの表札を見て驚きました。
「暗井」
「私と同じ名字!」暗井は叫びました。おばさんは、
「おばさんと同じ名字なの。うれしいわ。やっぱりあなたは……。」と、言って暗井をアパートの中に招きました。
「サアサア汚い部屋だけどあがってちょうだい。あなたとお話ししたいことがいっぱいあるの。私の名前は暗井静香というの。あなたのお名前は?」おばさんがそう言うと、
「私の名前……暗井不機味……。」と答えました。おばさんは一枚の遺影を暗井に見せました。その遺影には黄色い髪で青い目の女子高生がとても悲しそうな暗い顔で写っていました。
「この子はね、私の一人娘なの。この子が高校一年だった約30年前の夏(1989年夏)、りょうみ鉄道の電車に体当たりして自殺しちゃったの。この子の名前は暗井静見。運動神経が悪い子だったから、電車の前に飛び出すつもりが、タイミングが遅れて電車の側面にぶつかり、全身を強く打って即死してしまった……。それからすぐのことだったわ。私の主人は『静見が自殺したのはお前が悪い』と私に言ってすぐに離婚してしまったの。それから安いアパートを点々としながら一人暮らし。」おばさんは暗井が聞いてもいないのに語り始めました。
「静見は暗くて無口な子だったけど、とても良い子だったわ。だけど日月高校でいじめられて、高校二年の夏にいじめを苦にして鉄道自殺をしてしまったの……。」おばさんがそう言うと暗井は、
「ええっ!いじめを苦にして自殺?!私もいじめられて嫌になってりょうみ鉄道に轢かれて自殺しようとしていたの!うううしくしくしく!」と、号泣しました。おばさんは号泣しながら、
「あなたは死なないでちょうだい。死なないでちょうだい。」と言いながら暗井を抱きしめました。そして、二人で号泣しました。
「静見はね、日月高校で『汚い』とか、『バイキン』と言われて差別されていじめられ続けていたの。そして、『死ぬわ、死ぬわ……私』と言って電車に飛び込んで……。うわわわーっ!」と、おばさん。
「うううしくしくしく。私といっしょだわ。私も、『汚い』、『暗井菌』といわれてすごく差別されていじめられて……。自殺するためにこの町まで来たの……。」と暗井不機味。二人ともすごく泣きました。
「おばさんね、あなたは静見の生まれ変わりだと思うの。」おばさんは唐突に言いました。それを聞いた暗井不機味は、
「ええっ?!」と、言いました。おばさんは、
「あなたはきっと静見の生まれ変わりだと思う。静見は30年前、いじめ自殺で、いじめ自殺という形でこの物語の作者に殺された。あなたは絶対に静見の生まれ変わりだと思うの。そして今日、おばさんの前に来てくれたのよ。」と、言いました。暗井不機味は、
「ええっ?!私がおばさんの娘の生まれ変わり?!」と、驚いて言いました。
「…………。」暗井は暗井静見の遺影を見ました。
「これが私?結構きれい……。」暗井静見は暗井不機味よりもずっと美人でした。
「私がこの人の生まれ変わりなの?」暗井不機味はもう一回言いました。おばさんは、
「そうよ。絶対あなたは静見の生まれ変わりだと思う!名字が同じ『暗井』なのも偶然じゃ無いわ!絶対に生まれ変わりよ!」と、言いました。暗井不機味は、
「でも私とおばさん、親戚じゃ無いよね。暗井って珍しい名字なのに……。」と、不思議そうな顔で言いました。おばさんは、
「確かに私と不機味ちゃんは親戚では無いわ。でも、それ以上のつながりよ!だって不機味ちゃんは自殺した私の娘の生まれ変わりなんですもの!」と、少し微笑みながら言いました。
なんと暗井不機味は、本当に1989年(平成元年)夏に鉄道自殺した暗井静見の生まれ変わりだったのです!当時、30年前にこの物語の作者が作っていた話でいじめられていた暗井静見の生まれ変わりだったのです。平成が終わろうとしている今、30年の時を超えて判明した事実(いえ、設定)でした。不思議なこともあるものですね。
その後、おばさんと暗井不機味は色々お話しました。
おばさんは暗井静見との思い出を。
暗井不機味は中学校でいじめられていることを……。
「マア!せっかく作ったバレンタインチョコを『汚い』って言われて捨てられた!ひどい!うわ~っ。」おばさんは暗井不機味がいじめられている日々を聞いて暗井といっしょに泣いてくれました。暗井不機味も、暗井静見がいじめられていた過去を聞いて、暗井静見直筆の遺書も見せてもらって、
「遺書に『汚い』とか『バイキン』とかって言われて差別されていじめられてつらかったことが書いてある。差別されていたなんて私と同じ!かわいそう!うううしくしくしく!」お、おばさんといっしょに泣きました。
「静見さんもこの物語の作者からひどいことをされていたのね!30年も前から!うううしくしくしく!」暗井不機味は泣きました。作者はただ起こっていたことを実況中継しているだけです!とにかく暗井不機味もおばさんも過去の不幸な思い出、今のつらい思い出を話し合って泣きました。
話し合っているうちに時刻はお昼12時になりました。
「静見が好きだったハヤシライスを作ってあげましょう。」おばさんは暗井静見が好物だったというハヤシライスを作ってくれました。それを食べた暗井不機味は、
「おいしい。」と、言いました。不機味はこんなにおいしいものを食べたのはウマシ教の料理以来久しぶりでした。
「静見はハヤシライスが大好物でね。やっぱり不機味ちゃんは静見の生まれ変わりだわ。」と、おばさんは言いました。そしておばさんは、
「静見が帰ってきてくれたみたいでうれしい……。」と、泣いていました。
昼食後、おばさんは、
「不機味ちゃん、帰らなきゃいけないんじゃないの?あなたのお父さんもお母さんも今頃とてもあなたのことを心配しているはずよ。」と、言いました。暗井不機味は、
「田上に帰るお金が無いの。4円しか持っていない。」と、言いました。おばさんは、
「電車代ぐらいあげるわよ。ここから田上駅までだったら確か300円ね。」と、田上に帰る列車賃をくれました。おばさんは暗井不機味に、
「不機味ちゃんは絶対に自殺なんかしないで!おばさんのためにも生き続けてちょうだい。」と、言いました。とにかく暗井不機味は立ち直り生きる元気が出てきました。
「日月のおばさん!ありがとう!」そう言って暗井不機味はりょうみ鉄道に乗り込んで田上に帰りました。
さいわいにも、暗井不機味は帰るのが早かったため、急な失踪も騒ぎにはなっていませんでした。そして、暗井不機味は静見のママである日月のおばさんを励みに高校受験に頑張るのでした。
その486おわり その487につづきます
次回の「小説」は2月20日の発表です
個人的メモ:2019-0213点検済
タグ :『中学生も色々と』
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Posted by 樹廊 臣 at 04:25│Comments(0)
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