2019年04月28日

小説『中学生も色々と』その509

 おはようございます。この記事は予約投稿です。



 私の作った小説『中学生も色々と』第509話(その509)です。
このお話はフィクションであり、登場する人物、団体、企業、事件等は
実在のものとは一切関係ありません


樹廊臣物語中学生シリーズ

                  中学生も色々と
2019年2月28日書き下ろし話です
              その509「苑中での同窓会」

 2019年4月28日日曜日です。今日は他校生も含めた中学時代の仲良しさんが苑中に集まって同窓会(?)です。
「おっ!みんな来たね!久しぶり!」山百合先生の声が苑中の保健室に響きました。
からちゃん
お里さん
ひな乃ちゃん
こでなずさん
鳩野さん
鎌霧くん
つきくん
ねりくん
ランノーエさん
日暮紅子さん
五十嵐咲紀さん
みんなそれぞれの高校の制服姿で集合です。
「私も来ちゃった。」と、五十嵐さん。今日はみんなでそろって苑中保健室でパーティーです。
 「からちゃん、棚牡丹高校での学校生活はどう?からちゃんって部活やってるの?」みんなが聞きました。からちゃんは、
「部活はやってないよ。棚牡丹での高校生活は、受験が終わって安心したんだろうね。全然勉強しなくなっちゃって、気が抜けたような高校生活になってる。でもお友達が大勢できたのは良いことかな。」と、言いました。
 「ねりくん、東涼海高等特別支援学校での学校生活はどう?部活とかあるの?」みんなが聞きました。ねりくんは、
「俺は合唱部に入れてもらったよ。やっぱ音楽が好きなんだろうね。ピアノも弾くこともできるし楽しいよ。だけど何より楽しみなのは……。」と、言いかけました。
「楽しみなのは?」と、みんな。
「毎日田上駅までひな乃ちゃんがお迎えに来てくれること!」ねりくんと相思相愛でお付き合いしているひな乃ちゃんは未だに相思相愛で、ひな乃ちゃんは田上駅まで毎日ねりくんをお迎えに行っているのです。そして帰りのバスの時刻までデートして帰るというバカップルぶり!
「ねえねえ、デートって、何してるん?」鳩野さんが聞きました。すると、ねりくんもひな乃ちゃんも真っ赤になって、
「そうだねえ、ロッテリアに行って、そこら辺ブラブラして、おなかをなぜっこ。」と、ひな乃ちゃんは言いました。
「おなかをなぜっこ?!」と、つきくん。
「お互いにおなかをマッサージし合うの。すごく気持ちいいんだよ。これ。仲良しさんにしかできない技だけど。」と、ひな乃ちゃん。ねりくんは真っ赤になって、
「名取史乃さんって人に教えてもらったん。」と、言いました。史乃さん、なんと言うことを教えるのでしょうか?お互いに相手のおなかをマッサージし合うバカップル。ちょっとかわいくもあります。
 「五十嵐さんは田上西高校だよね。部活とかやってるん?高校は楽しい?福島の原発のことで五十嵐さんのこと、元気にしているかみんな心配だったんよ。」と、みんなが聞きました。五十嵐さんは、
「田上西では吹奏楽部でコントラバス弾いてる。吹奏楽でもコントラバスの出番はあるんだよ。なんか高校、すごく楽しい。福島のことは大丈夫。私は元気です。」と、言いました。入部そうそう部活のコントラバスのレギュラーにしてもらった五十嵐さんはすごいです。
 「それでー。お里さんは?南中がこの間ワイドショーに出ていたけれど。お里さんのお母さんが出てたよね?」と、みんなが言いました。お里さんは、
「そうよはずかっしいー!お母さんが『南中に仕返しするって』言って『見世物台』って言う怖ーいものが南中にあるんだけど、それをデジカメに撮ってインスタに上げて、炎上しちゃって大騒ぎ!家にテレビのワイドショー来たからね!私もインタビューされそうになって逃げたけど。南中はあの後大騒ぎになったみたいだけど私はどうなったか後のことは知らない。」と、言いました。騒ぎが過ぎるときれいさっぱり忘れてしまうのがマスコミの悪い癖なので今は落ち着いています。なのでまあ大丈夫でしょう。
 「それでお里さん、高校生活は楽しいん?」みんなが聞きました。お里さんは笑顔になって、
「田上商業に行ったんだけど、田上商業高校楽しい!」と、言いました。みんなは、
「どこが楽しいの?」と、聞きました。お里さんは、
「自由なところ!南中に比べて校則が緩くて、何でも自分の好きなふうにできるし、髪も断髪しなくて良いし!見て、私の髪、ちょっと伸びたでせう。私、長い髪が好きだから南中卒業の時から髪を伸ばし始めたんだ!この髪、ゆくゆくはロングのソバージュにする!」と、言いました。そしてお里さんは、
「ああ、自由って良いなあ~。学校って、こんな自由なところだったかしらん?って思うよ。」と、喜びに満ちた表情をしていました。でもお里さん、これから何日か経つと高校もつまらなくなるのです。結局お里さんにとっては高校も中学もつまらないところであるようです。
 「それで、こでなずさんだけど、棚牡丹高校落ちちゃったけど……。」みんなはこでなずさんの心配をしました。こでなずさんは、
「うん、棚牡丹落ちたときはショックだったけど、沖川高校に入って良かったと思うよ。入ったら入ったで良いこともあるし、沖川の人もみんな良い人で仲良くやってるし。部活は科学部って言う面白そうな部活に入ったし、良かった思うよ。うん、良かった。」と、言いました。すると紅子さんが、
「こう言っちゃこでなずさんに悪いけど、こでなずさんが沖川高校に来てくれて本当に良かったと思ってるん。こでなずさんが居なかったら、私はきっと沖川で独りぼっちだったと思うんよ。こでなずさんは私にとっての天使です。クラスも部活も別々になっちゃってるけど、こでなずさんが居てくれるから私の高校生活の希望にもなって、私は沖川の管弦楽部でビオラを弾くことを続けることができている。大好きなビオラを演奏できて、私は幸せです。」と、言いました。こでなずさんは、
「ま、終わりよければすべてよしと言うわけで。私は大丈夫。」と、言いました。
 「鎌霧くんはバイオリン続けているの?」みんなが聞きました。鎌霧くんは、
「うん!私の行った私立白影高校ね、管弦楽部があるんよ。そこでバイオリン続けてるよ。」と、言いました。
「それでさ、ランノーエさんも管弦楽始めたんだよね。私と同じバイオリンを。」と、鎌霧くんは言いました。ランノーエさんは、
「そう!私もバイオリン始めたん!鎌ちゃんが同じ学校で教えてくれるから助かるわあ。」と、言いました。
「ランノーエさんと鎌霧くんって同じクラス?」山百合先生が聞きました。
「私はG組で、」と、鎌霧くん。
「私はE組。」と、ランノーエさん。同じクラスにはならなかったようです。
 「つきくんは田上東高校よね。部活入った?」と、みんなが聞きました。つきくんが言うには、
「俺は帰宅部。部活はやってない。」と、言うことでした。
 「最後に鳩野さん。鳩野さんは夢見が丘高校よね。部活入った?」と、みんなが聞きました。鳩野さんが言うには、
「私はテニス部に入ったわ。女子テニス部。部活で津藤みほさんってお友達ができたの。うんと良い人で、からちゃんのお友達だよね。」とのことです。からちゃんは、
「みほちゃん、夢見が丘高校行ってもテニスを続けてるんだ。みほちゃんは中中で女子テニス部の部長だったからね。」と、言いました。
 そして最後に、
「鎌霧くん、鎌霧くんは高校行っても女装は続けているの?」と、みんなが聞きました。鎌霧くんは、
「やっぱそれ興味あるよね。高校では女装はまだできてない。でもゆくゆくはスカートデビューするつもり。だけど、タイミングをつかむことができないんよね。家の中や苑内の森ん中では女装は続けているけどね。今日は白影高校のブレザーとスラックス姿で来たけど。」と、言いました。すると鳩野さんは、
「鎌ちゃんの女装かわいくてファンだから是非続けて!」と、言いました。するとみんな笑って楽しい雰囲気でした。こんな風に苑中での同窓会は平和でした。しかし……。
 もうすぐ後味の悪い最悪なこの小説の最悪なラストが始まります。

              その509おわり        その510につづきます



次回の「小説」は5月2日の発表です






個人的メモ:2019-0425点検済



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