2016年10月26日
小説『中学生も色々と』その66
おはようございます。この記事は予約投稿です。
私の作った小説『中学生も色々と』第66話(その66)です。
このお話はフィクションであり、登場する人物、団体、企業等は
実在のものとは一切関係ありません。
樹廊臣物語中学生シリーズ
中学生も色々と
その66「中中文化祭の準備」
11月5日と6日の土日は中中の文化祭です。からちゃんのクラス、1年6組は「狸の研究」の展示発表をします。今日は10月20日の木曜日。学級会の時間です。今はたまたま篠口先生は電話が来たと言って席を外しています。
「狸の研究を展示するんだったら写真展示だけじゃなくて狸の巣を再現したいね。」誰かからそう言う言葉が出ました。
「どうやって再現するんですか?」文化祭リーダーの金田君が言いました。
「発泡スチロールを拾ってきて、それをくっつけたりほじくったりして狸の穴の断面図を再現すればいいと思いまーす。」
「狸山、狸の巣の長さってどれくらいなの?」
「長さは1mくらいかな。入口が狭くて奥が広くなってて。」狸山さんが言いました。
「まっすぐ横に伸びてるんだよね?」
「うん。だいたいね。入口が低い所にあって、奥の居住スペースが高くなってる。」狸山さんが言いました。
狸山さんは黒板に狸の巣の側面図↓を書きました。

「へーっ。狸の巣ん中ってこうなってるんだ。」からちゃんが言いました。
「そうだよ。暗いけど結構快適よ。」狸山さんが言いました。
「そりゃあ、狸にとっては快適だろうな。」金田君が言いました。
「へーっ。狸の穴の入口は狭くなってるけど、奥は広いんだ。干し草が下に敷いてあるわけね。」
「巣の中の高さはどれくらいなの?」
「50㎝くらい。」狸山さんが言いました。
「長さ1m、高さ50㎝だったら実物大で再現できそうだね。」
「山の斜面みたいな所に入口があるわけね。へーっ。」
「じゃあ入口は斜めに発泡スチロールを設置して、それに穴を開けて奥に断面図を作ってくみたいな?」
「よく分かんないけどそんな感じかな?」
「干し草はどうするの?」
「校庭のはしっこの「草捨て場」から拾ってくればいいんじゃない。」
「ゾックンの干し草を拝借(はいしゃく)すればいいじょ。アハハアハハ。」と田山君。
「おい、田山!ゾックンの干し草なんてウポン臭くて使うことできねえぞ!よく考えろ!」
「アハハ。怒られたじょ!アハハアハハ。」とこたえてない田山君。
「干し草ならうちにあるわよ。」小高さんが言いました。
「小高の家に?」
「うん、乗馬の馬が食べるのが。」小高さんは言いました。
「じゃあ、小高の家にもらいに行くぞ。」
「どうぞ、いくらでも。ああ、ビニール袋いっぱいに持ってきますわ。」
「あんまりいっぱいもらっても困るけどな。」
「干し草があまったらゾックンに喰わせて処理すればいい。」
「あはは。そりゃいいや。」
「発泡スチロールは?」
「駅の裏に発泡スチロール捨て場があるよ。そこから拾ってくれば。」
「それで干し草と発泡スチロールはOKで良いですね。」金田君が言いました。みんな
「いいでーす。」と言いました。
「問題は狸のぬいぐるみだ。だれか狸のぬいぐるみ持ってる人ー。」すると、
「私持ってるー。」差別されている暗井不機味が言いました。すると、
「暗井ー!お前には聞いてねー!お前のぬいぐるみなんて汚くて触ることできるか!持ってくるな!暗井、菌!!ブス!!」と言われてしまいました。暗井は
「汚いなんてひどい……。うううしくしくしく。」と泣きました。そんな暗井は
「おい!暗井泣くなー!篠口が戻ってきたら差別がばれるだろー!!」なんて言われていました。
そうこうしていると篠口先生が戻ってきました。
「金田、文化祭の話し合いはどうなった?」
「こないだ撮った狸の写真展示と、実物大の狸の巣の模型を発泡スチロールで作ろうということになりました。」
「発泡スチロールで実物大の狸の巣の模型展示!それはおもしろいな。」と篠口先生は言いました。そして、
「じゃあ22日の土曜日に、発泡スチロール集めて狸の巣の模型を作ろう。22日は9時に運動着着て学校に集合!」ということになりました。
10月22日土曜日です。9時にみんな中中に集合しました。
「せっかくの土曜日のお休みが……。」と、文句を言っている人もいます。気持ちは分かります。
「こんぐらい有れば足りるよね。」小高さんはビニール袋いっぱいの干し草を持ってきました。さて、発泡スチロールを集めに行かなくてはならないのですが、自動車が無い!学校の軽トラも他のクラスに使われています。篠口先生のバイクで運ぶわけにもいきません。しょうがないのでみんな真野駅裏にある発泡スチロール捨て場からそれぞれ手に持っててくてくと運びました。
発泡スチロールが教室に着くとその発泡スチロールを上下と横方向にボンドでくっつけます。
「狸の巣穴の長さが1mだとすると、発泡スチロールは1m20㎝くらいつなげなきゃいけないなあ。」篠口先生が言いました。そして発泡スチロールをつなげ終わりました。長さ1m20㎝、高さは70㎝です。狸山さんがその発泡スチロールの側面に狸の巣の側面の図を書いて行きます。
「これでこの黒く書いたところを掘っていけば巣穴の形はできます。」と狸山さんは言いました。
「じゃあ、みんな、発泡スチロールを掘ろう。」
「掘れ掘れー。」と、みんなで発泡スチロールを掘じくります。実はこの作業が結構大変で、
「静電気で発泡スチロールのつぶが付いたー。」
「静電気で髪の毛に発泡スチロールが……。」
「やーん。取れない!」
「ミー。毛に付く!」全身毛だらけの狸山さんなんかはもっと大変で、全身に発泡スチロールのつぶが付いてしまいました。
みんな発泡スチロールのつぶだらけになりながらもなんとか発泡スチロールを堀り終わりました。巣穴の形は完成です。
「じゃあ今度は塗料でこれを茶色く塗ろう。」発泡スチロールを茶色に内部も含めて塗っていきます。
「塗り塗り。」
「アハハアハハ真っ茶色の土色。アハハアハハ。」いつも笑っている田山君。
「……。」気が弱いために何も言わないで塗っている小心太郎。そうこうしているうちに塗装も完了しました。
「できた!後は乾かすだけだ。」
「ビー!ビー!ビー!」塗料の匂いが臭いのでウポンのゾックンは「くさい!」と騒いでいます。
「乾かしている間に写真展示の方を作ろう。」篠口先生が言いました。
「かわいい狸の赤ちゃん。」模造紙にこの前撮った狸の写真を貼っていきます。そして写真の一枚一枚にコメントを書いていきます。コメントはみんなで考えました。これ結構大変です。とりあえず写真展示はできました。
「狸の巣の模型の塗料が乾いてきたぞ。」篠口先生が言いました。
「3時間で乾くの?早っ。」
「あんなに厚く塗ったのに?乾くの早くない?」話の都合もあるので早く乾いてもらいました。
「みんなご苦労さん。後はこの狸の巣に干し草を入れて、入り口に落ち葉を敷いて、狸のぬいぐるみを入れるだけだ。結構うまくできたな。この巣。」篠口先生も満足しました。
その66おわり その67につづきます
私の作った小説『中学生も色々と』第66話(その66)です。
このお話はフィクションであり、登場する人物、団体、企業等は
実在のものとは一切関係ありません。
樹廊臣物語中学生シリーズ
中学生も色々と
その66「中中文化祭の準備」
11月5日と6日の土日は中中の文化祭です。からちゃんのクラス、1年6組は「狸の研究」の展示発表をします。今日は10月20日の木曜日。学級会の時間です。今はたまたま篠口先生は電話が来たと言って席を外しています。
「狸の研究を展示するんだったら写真展示だけじゃなくて狸の巣を再現したいね。」誰かからそう言う言葉が出ました。
「どうやって再現するんですか?」文化祭リーダーの金田君が言いました。
「発泡スチロールを拾ってきて、それをくっつけたりほじくったりして狸の穴の断面図を再現すればいいと思いまーす。」
「狸山、狸の巣の長さってどれくらいなの?」
「長さは1mくらいかな。入口が狭くて奥が広くなってて。」狸山さんが言いました。
「まっすぐ横に伸びてるんだよね?」
「うん。だいたいね。入口が低い所にあって、奥の居住スペースが高くなってる。」狸山さんが言いました。
狸山さんは黒板に狸の巣の側面図↓を書きました。

「へーっ。狸の巣ん中ってこうなってるんだ。」からちゃんが言いました。
「そうだよ。暗いけど結構快適よ。」狸山さんが言いました。
「そりゃあ、狸にとっては快適だろうな。」金田君が言いました。
「へーっ。狸の穴の入口は狭くなってるけど、奥は広いんだ。干し草が下に敷いてあるわけね。」
「巣の中の高さはどれくらいなの?」
「50㎝くらい。」狸山さんが言いました。
「長さ1m、高さ50㎝だったら実物大で再現できそうだね。」
「山の斜面みたいな所に入口があるわけね。へーっ。」
「じゃあ入口は斜めに発泡スチロールを設置して、それに穴を開けて奥に断面図を作ってくみたいな?」
「よく分かんないけどそんな感じかな?」
「干し草はどうするの?」
「校庭のはしっこの「草捨て場」から拾ってくればいいんじゃない。」
「ゾックンの干し草を拝借(はいしゃく)すればいいじょ。アハハアハハ。」と田山君。
「おい、田山!ゾックンの干し草なんてウポン臭くて使うことできねえぞ!よく考えろ!」
「アハハ。怒られたじょ!アハハアハハ。」とこたえてない田山君。
「干し草ならうちにあるわよ。」小高さんが言いました。
「小高の家に?」
「うん、乗馬の馬が食べるのが。」小高さんは言いました。
「じゃあ、小高の家にもらいに行くぞ。」
「どうぞ、いくらでも。ああ、ビニール袋いっぱいに持ってきますわ。」
「あんまりいっぱいもらっても困るけどな。」
「干し草があまったらゾックンに喰わせて処理すればいい。」
「あはは。そりゃいいや。」
「発泡スチロールは?」
「駅の裏に発泡スチロール捨て場があるよ。そこから拾ってくれば。」
「それで干し草と発泡スチロールはOKで良いですね。」金田君が言いました。みんな
「いいでーす。」と言いました。
「問題は狸のぬいぐるみだ。だれか狸のぬいぐるみ持ってる人ー。」すると、
「私持ってるー。」差別されている暗井不機味が言いました。すると、
「暗井ー!お前には聞いてねー!お前のぬいぐるみなんて汚くて触ることできるか!持ってくるな!暗井、菌!!ブス!!」と言われてしまいました。暗井は
「汚いなんてひどい……。うううしくしくしく。」と泣きました。そんな暗井は
「おい!暗井泣くなー!篠口が戻ってきたら差別がばれるだろー!!」なんて言われていました。
そうこうしていると篠口先生が戻ってきました。
「金田、文化祭の話し合いはどうなった?」
「こないだ撮った狸の写真展示と、実物大の狸の巣の模型を発泡スチロールで作ろうということになりました。」
「発泡スチロールで実物大の狸の巣の模型展示!それはおもしろいな。」と篠口先生は言いました。そして、
「じゃあ22日の土曜日に、発泡スチロール集めて狸の巣の模型を作ろう。22日は9時に運動着着て学校に集合!」ということになりました。
10月22日土曜日です。9時にみんな中中に集合しました。
「せっかくの土曜日のお休みが……。」と、文句を言っている人もいます。気持ちは分かります。
「こんぐらい有れば足りるよね。」小高さんはビニール袋いっぱいの干し草を持ってきました。さて、発泡スチロールを集めに行かなくてはならないのですが、自動車が無い!学校の軽トラも他のクラスに使われています。篠口先生のバイクで運ぶわけにもいきません。しょうがないのでみんな真野駅裏にある発泡スチロール捨て場からそれぞれ手に持っててくてくと運びました。
発泡スチロールが教室に着くとその発泡スチロールを上下と横方向にボンドでくっつけます。
「狸の巣穴の長さが1mだとすると、発泡スチロールは1m20㎝くらいつなげなきゃいけないなあ。」篠口先生が言いました。そして発泡スチロールをつなげ終わりました。長さ1m20㎝、高さは70㎝です。狸山さんがその発泡スチロールの側面に狸の巣の側面の図を書いて行きます。
「これでこの黒く書いたところを掘っていけば巣穴の形はできます。」と狸山さんは言いました。
「じゃあ、みんな、発泡スチロールを掘ろう。」
「掘れ掘れー。」と、みんなで発泡スチロールを掘じくります。実はこの作業が結構大変で、
「静電気で発泡スチロールのつぶが付いたー。」
「静電気で髪の毛に発泡スチロールが……。」
「やーん。取れない!」
「ミー。毛に付く!」全身毛だらけの狸山さんなんかはもっと大変で、全身に発泡スチロールのつぶが付いてしまいました。
みんな発泡スチロールのつぶだらけになりながらもなんとか発泡スチロールを堀り終わりました。巣穴の形は完成です。
「じゃあ今度は塗料でこれを茶色く塗ろう。」発泡スチロールを茶色に内部も含めて塗っていきます。
「塗り塗り。」
「アハハアハハ真っ茶色の土色。アハハアハハ。」いつも笑っている田山君。
「……。」気が弱いために何も言わないで塗っている小心太郎。そうこうしているうちに塗装も完了しました。
「できた!後は乾かすだけだ。」
「ビー!ビー!ビー!」塗料の匂いが臭いのでウポンのゾックンは「くさい!」と騒いでいます。
「乾かしている間に写真展示の方を作ろう。」篠口先生が言いました。
「かわいい狸の赤ちゃん。」模造紙にこの前撮った狸の写真を貼っていきます。そして写真の一枚一枚にコメントを書いていきます。コメントはみんなで考えました。これ結構大変です。とりあえず写真展示はできました。
「狸の巣の模型の塗料が乾いてきたぞ。」篠口先生が言いました。
「3時間で乾くの?早っ。」
「あんなに厚く塗ったのに?乾くの早くない?」話の都合もあるので早く乾いてもらいました。
「みんなご苦労さん。後はこの狸の巣に干し草を入れて、入り口に落ち葉を敷いて、狸のぬいぐるみを入れるだけだ。結構うまくできたな。この巣。」篠口先生も満足しました。
その66おわり その67につづきます
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Posted by 樹廊 臣 at 05:25│Comments(1)
│小説『中学生も色々と』
この記事へのコメント
発泡スチロールの狸の巣、
けっこうリアルにできたみたいですよ。
巣の奥に積み重ねられた干し草がポイント^^
けっこうリアルにできたみたいですよ。
巣の奥に積み重ねられた干し草がポイント^^
Posted by 樹廊 臣
at 2016年10月26日 18:01
