2018年09月02日

小説『中学生も色々と』その431

 おはようございます。この記事は予約投稿です。

本日の更新は『小説』だけです 

 私の作った小説『中学生も色々と』第431話(その431)です。
このお話はフィクションであり、登場する人物、団体、企業、事件等は
実在のものとは一切関係ありません。
また、このお話に出てくる「25時間テレビ」は架空のものであり、
24時間テレビや日本テレビとは一切関係ありません。


樹廊臣物語中学生シリーズ

                     中学生も色々と
2018年4月に創った書き下ろし新作話です
          その431「25時間テレビの感動ぶち壊しになる」

 現在、TTCV25時間テレビでは25時間テレビ登山&マラソンの場面を放送中です。
「えっほえっほっ。」マラソンランナーのお笑いコンビドヂーズはギャラと宣伝のために一生懸命25時間マラソンしていますが、沿道に見物に来ている一般人から、
「スッテーン!ころべー!」とか、
「コケブー片木、ブー!」等と言われています。ドヂーズはお笑いなのでこうなる運命なのです。頑張っていても報(むく)われないお笑いであります。
「スッテーン!」
「ブー!」こけるドヂーズ。ドヂーズはとてもドジなのです。
「ドッ!アハハ、アハハハ!」それを見た一般人は爆笑しました。そんな場面も25時間テレビは放送しました。他に放送することがないというのが理由です。ねりくんは、
「いくらドヂーズと言っても笑われてかわいそう。」と思いました。ねりくんは、テレビジョンをバカにしつつも本当は良い妖精なのです。TTCV社員は、
「ああ~!ドヂーズじゃやっぱり誰も感動しない!困った!」と、困り果てています。TTCV本社前のお祭り広場からはどんどんと見物人が帰っていきます。もう夜の22:00近いので当然です。
 TTCV本社では急遽会議がおこなわれていました。
「これでは誰も感動しない。どうやって視聴者を感動させようか?」ということが話し合われていましたが妙案は出ませんでした。しかも、これからもっと感動しなくなる事態になるのです。
 「つかれた~。」
「つかれた~。」マラソンのドヂーズはコケブー片木と、スッテーン掛山の二人組。二人とも二時間近くマラソンして疲れています。コケブー片木は、
「つかれた。俺もう嫌だ。」と言い出しました。スッテーン掛山は、
「おいブー。やめたらギャラをもらうことが出来ないぞ。」と言いました。コケブーは、
「ギャラよりもやめたい。」と言い、立ち止まりました。
「ブー?!」と、スッテーン掛山。コケブー片木は、
「俺疲れた!もう嫌になったからやめる!」と、言いました。するとTTCVスタジオの読舌アナと石殻アナが、
「コケブー!負けないで!」と、エールを送り、24時間テレビのマラソンに出てくるような「負けないで~」の曲を流しました。そして石殻アナは、
「コケブー!テレビの前のみんなが応援してるよ!」と言いました。ねりくんはじめテレビジョンの前の一般人は、
「してねーよ!」と、言いました。コケブー片木は、
「俺もうヤダ!疲れた!足痛い!もうやめるよ!ここで俺はやめる!」と、カメラに向かって言いました。相方のスッテーン掛山は、
「おいブー!お前がやめたらギャラが半分になっちまうだろー!」と言いましたがブーは、
「俺はもう嫌だ!ギャラよりも寝たい!」と言いました。するとスタジオから、
「コケブー!負けないで!自分に打ち勝つのよ!」と言う石殻アナの声がして、「負けないで~」の曲の音量がプラスされました。しかしコケブー片木は、
「何が負けないで~だよ!24時間テレビじゃないんだからさー!やめることが自分に負けることになるのかよ!俺はただ自分を大切にするだけさ!もう!おわり!じゃあな!テーンも早めにやめた方が良いぞ!」と、言って自分からリタイアしてしまいました。相方のスッテーン掛山は、
「おいブー!」と言いましたがコケブー片木は帰宅してしまいました。スタッフは、
「スッテーン掛山は続けてくれるよね?」と、聞きました。スッテーン掛山は、
「俺はやる!最後までギャラとイメージアップのためにやり遂げるぞ!金欲しいもん!ギャラに向かって走るぞ!」と、言いました。すると、
「しばらくそのままでお待ちください」の画面になりました。インターネットでは、
「コケブー嫌になってやめる!スッテーン本音を暴露!ギャラとイメージアップのために走る!」と、炎上していました。現場ではTTCVマラソンスタッフが、
「掛山、そういうこと言うとギャラあげないよ!我々は感動の放送をしたいんだからね!」と、スッテーン掛山を叱っていました。スッテーン掛山は、
「俺はただ本音を言っただけだよ!俺はギャラが欲しいのとイメージアップと宣伝のためにマラソンやってあげてるんだよ!」と、自分で暴露していました。
 画面がTTCVの本社スタジオを映しました。そして読舌アナが、
「さきほど、ドヂーズスッテーン掛山が、『ギャラ』という発言をしましたが、当局の25時間テレビはあくまでもチャリティー番組です。我々TTCV社員も出演者もチャリティーのボランティアでやっています。なのでギャラを出演者に渡すということはありません。スッテーン掛山はギャグで『ギャラ』という発言をしています。皆様、本気になさらないようにおねがい致します。」と、言っていました。ねりくんは、
「なるほど。みんなにギャラが発生してるということね。」と、笑っていました。
 「ねむ……。今年は視聴者とケンカとかないかな?俺ん家のFAXも拒否されちゃったしつまんない。」今年の25時間テレビは盛り上がりに欠けるようでねりくんは眠気との戦いになっていました。画面ではあいかわらずスッテーン掛山が孤独にマラソンを続けています。他に映すことがないからずうっとマラソンを実況中継している状態です。今のスッテーン掛山の頭の中は、
「これをやり遂げれば莫大なギャラをもらうことが出来る!かね、カネ、金……。ギャラのために頑張るぞ!」ということのみでした。その頃相方のコケブー片木は、
「ブガーブガー。」と、25時間テレビも見ずに寝ていました。そしてねりくんは、
「ねむ……。パタリ。」と、スイミングになってしまいました。
 「グッスーリスヤスヤ。」と、ねりくんが可愛い顔で眠っていると、つけっぱなしのテレビジョンから、
「スッテーン!」という音が聞こえました。
「なんの音?」目を覚ますねりくん。
「ああーっ!またスッテーン掛山が転びました!」白熱しながら言うテレビジョン。
「また転んだ。本当にドジだ!」と、テレビジョンの前の一般人。
「痛くないかな?ドジだけど気の毒。」と、ねりくん。
「掛山!大丈夫か?」スッテーン掛山に声をかけるスタッフ。スッテーン掛山は、
「へっちゃらさー!ギャラのために頑張るぞー!」と、言いました。マラソンスタッフは、
「ギャラと言うなー!」と言い、
「マンネリになってる。感動させるには?とりあえず本社スタジオにつないでみよう。」と、思い、
「TTCV本社スタジオの読舌アナー!」と、読舌アナを呼びました。本社スタジオに画面が切り替わったのですが、
「グーグー。」と、読舌アナ。
「スヤスヤ。」と、石殻アナ。
「わーい!アナウンサー寝てるー!午後11:40分だもんね。そりゃ眠いよね。」と、ねりくん。
「ねてるー!仕事中に寝るなー!」と、視聴者。なお、その頃もスッテーン掛山はマラソンを続け、相方のコケブー片木はグッスリと眠っていました。
「しばらくそのままでお待ちください」となるテレビ画面。ねりくんは、
「起こすところ映してよ!」と、言いましたがTTCVはそういう感動的でないところは映してくれません。
「今年はあんまりおもしろくないな。FAXも送信できないし。」と、ねりくんはポテトチップをかじりました。他の視聴者も、
「ずうーっとスッテーン掛山のマラソンシーンだけ映している。つまらん。他に映すこと無いんだな。」と言っています。ズバリ他に映すことはないのです。ブタモドキブタイの感動VTRは朝ご飯タイムが終わってからの放送となります。他の視聴者はチャンネルを変えたり、テレビジョン受像器のスイッチを切ったりする人が続出しています。しかしねりくんは25時間テレビにいちゃもんをつけるために頑張って見ようとします。しかし眠い!
「スッテーン掛山が頑張っていますね!」と、読舌アナ。突然「しばらくそのままでお待ちください」であった画面が切り替わりました。居眠りしていたことは無かったことにして感動をうながすことを言っています。現場のスッテーン掛山が、
「ねー!俺への応援メッセージ無いのー?」と、言いました。しかし、TTCVに届いているFAXやメールは
「スッテーン掛山、ころべ。」
「こんな放送感動しないわ。」等の変な物ばかりでした。ねりくん以外の視聴者も変なメッセージを送りつけるのです。なのでスタッフが、
「スッテーン掛山さん!すてき!頑張る姿に感動しています!」というメッセージを捏造する状態でした。
             
               その431おわり        その432につづきます





個人的メモ:2018-0901点検済  


Posted by 樹廊 臣 at 04:25Comments(0)小説『中学生も色々と』