2018年09月07日

小説『中学生も色々と』その436

 おはようございます。この記事は予約投稿です。

本日の更新はこの『小説』だけです。

 私の作った小説『中学生も色々と』第436話(その436)です。
このお話はフィクションであり、登場する人物、団体、企業、事件等は
実在のものとは一切関係ありません。
また、このお話に出てくる「25時間テレビ」は架空のものであり、
24時間テレビや日本テレビとは一切関係ありません。


樹廊臣物語中学生シリーズ

                    中学生も色々と
書き下ろし新作話です
           その436「25時間テレビのお祭り広場にて」

 「ワイワイわい!」
「ざわざわざわ!」TTCV本社前のお祭り広場は大勢の見物人でごった返していました。涼海県のローカルアイドルである堀ノ内留美さんの人気のおかげです。(だけど留美さんは涼海県外に出るとただの人になってしまう)2018オカメドライブを観に来た人も多くいます。そんなお祭り広場にやってきたねりくんからちゃんひな乃ちゃんの3人です。
 「ねえ?ねりくんって25時間テレビや24時間テレビを好きなの?それともアンチなの?」と、からちゃんが聞きました。ねりくんは、
「アンチだね。好きではない。」と、言いました。からちゃんは、
「それがちょっと不思議。ねりくん、アンチの割には徹夜して放送を見るし、じつはねりくん、こういうテレビを好きなんじゃないの?嫌いだったら全然見ないもん。」と、言いました。ねりくんは、
「好きなわけないでしょ。好きだったらバカにしたりケチ付けたりしないよ。」と、言いました。からちゃんは、
「ちょっと怪しいです。バカにしたりするということはじつは好きだったりするのです。」と、言いました。ねりくんは、
「好きだったらバカにしないと思うけど。でも、年に一度の楽しみではあるね。こういうテレビに『感動しねーよ』っていちゃもんつけるのを楽しみにしてるからね。」と、言いました。ひな乃ちゃんは、
「そういうところもすてき!」と、言いました。恋してしまった乙女はまったく……。
 その頃読舌アナは、
「さっきのブタイのスペシャルの謎場面のほとぼりも冷めたようだ。やれやれどうにかごまかすことが出来た。あの件については後でスタッフを厳しく糾弾しないといけないな。」と、思いながらアナウンサー席に着きました。そして、ステージで歌う堀ノ内留美さんを実況中継させていました。
 「ここがお祭り広場ね。ステージと観客席があって出店が出ておる。それにしてもすごい人出。TTCVごときでこんなに賑わうとはね。」と、あきれ半分のひな乃ちゃん。
「出店には~。来年の募金を貯める貯金箱ー?読舌アナウンサー人形、石殻アナウンサー人形、そして、25時間テレビチャリTシャツって、なんのテレビのまねだよ。どれも要らない物ばっかりね。」と、ひな乃ちゃんとからちゃんは言いました。
「まず最初に、こでなずさんから預かったこでなずさんの募金を出さないと。」と、ねりくんは募金受付所に行きました。
「すみません。募金を預かってきたんですけどー。」ねりくんは募金受付所のTTCVスタッフ(バイト)に言いました。募金受付係は、
「どうもありがとうー。ん?お、お前、センテェレングネリートじゃないか!」と、言いました。ねりくんは、
「そうですよー。でも今年は別に良いでしょ。FAX送りたくても拒否されちゃってるし。」と、言いました。募金受付係は、
「うん、ちょっと待って。とにかく募金はまず最初に預かるね。これ、けっこうあるけどセンテェレングネリートが貯めてくれたの?」と、言いました。ねりくんは、
「違いますよ。お友達が貯めたのです。TTCVまで持って行ってって、頼まれたんです。」と、言いました。そして、
「俺も100円募金します。」と、ねりくんは今年は100円だけ募金しました。募金受付係は、
「100円ぽっちか。」と、失礼なことを言い、
「それでね。センテェレングネリートくん。ちょっと待って、君を見つけたら即刻読舌社長に連絡するように言われてるの。」と、恐いことを言ってトランシーバーで言いました。
「逃げっぺ!」と、ねりくん。
「待って!」と、ひな乃ちゃんは言いましたがねりくんは空に舞い上がりました。
 「みなさん!このお祭り広場にセンテェレングネリートが現れました!来るんじゃないかと思っていたよ!」読舌アナは突然言いました。
「えーっ?!」と、ひな乃ちゃんとからちゃん。ねりくんはどんどん空へ登っていきます。読舌アナは、
「今、センテェレングネリートは上空に逃げています!今この、天使のTTCVカメラマンがセンテェレングネリートを追いかけて実況生中継します!お楽しみに!行け!」と、天使のTTCVカメラマンをけしかけました。天使のカメラマンは、
「ジーッ」と、撮影しながら大空に舞い上がりねりくんを追いかけました。
「どういう企画なんだこれは?!一般人てゆーか一般妖精を追うか?!」と、一般人。読舌アナは、
「センテェレングネリートって言うのはね、中学生の妖精の男の子でして、去年の25時間テレビでさんざいちゃもんつけて台無しにしてくれた変なヤツなんですよ。今年は捕まえて、ヤツも感動させたいと思います。今年の25時間テレビのテーマは『感動』ですからね。センテェレングネリートを捕まえたら、ヤツともいっしょに感動のテレビをお送りしたいと思います。乞うご期待!」と、言いました。
「???」と、ひな乃ちゃんとからちゃん。と言いますか他の一般人も「???」です。変な展開!
 「ま~て~」TTCVの天使のカメラマンはきれいなお姉さんでした。TTCVにはこんなカメラマンも居るのです。
「げーっ!テレビカメラ持って追ってきてる!俺を中継する気だ!」必死に飛んで逃げるねりくん!カメラマンは、
「待てー!妖精よりも天使の方が飛ぶスピード、持久力共に妖精よりも勝(まさ)ってるんだぞ!」と、ねりくんを追います。
「センテェレングネリートの後ろ姿を捕らえました!なんと、センテェレングネリート、靴履いていません!はだしです!はだしの妖精は珍しくはありませんが、もうすぐ疲れてくる頃だと思われます!」撮影しながら実況説明をするカメラマン!ねりくんピンチ!
「逃げて!ねりくん逃げて!」応援するひな乃ちゃんとからちゃん、その頃、苑中では、
「あーっ!ねりくんが25時間テレビに出てるー!」と言う鳩野さんの声でみんな、
「ブーッ!」と、飲んでいたジュースを吹き出したのでした。
「またねりくんが25時間テレビに出てる!」この模様は実況中継されていたのでした。
 「今日はお洗濯物も片付いているからね。TTCVにご招待頂いたから感動を広げませう。」中中の甜瀬鈴音先生はTTCVに向かって愛車ラパンを走らせていました。去年の25時間テレビに出演した甜瀬先生はTTCVから放送中に招待されたのです。ちなみに甜瀬先生、去年テレビに出たことで顔根先生から叱られたことはすっかり忘れています。今、甜瀬先生の頭の中には「感動」しかないのです。「とにかく感動したい!」それが甜瀬先生なのです。彼女は感動が大好きなのです。
 「雲だ!」高度3000m。ねりくんは雲の中に飛び込んで逃げました。カメラマンも雲に飛び込みます。ねりくんは、
「雲で見えなくて逃げのびることが出来そうだ!」と、思いました。カメラマンは、
「センテェレングネリートは雲の中に飛び込みました!この雲、まるでミルクの中に飛び込んだみたいです!残念ながら見失いました!」と、実況しました。その声をおせなで聞いたねりくんは自分の羽根を閉じました。
「ピュー!」羽根を閉じたねりくんはものすごい速さで落下(自由落下)していきました。これが降下するときは一番速いのです。高度3000mからスカイダイビングしたのと同じ状態です。地面が近付いてきます。
「もみじ山の近くまで来ていたのか。」
「ばっ!」
「ばたっ!」ねりくんは妖精の羽根を広げました。羽根を広げたことで急減速したねりくん。ふわりと地面に降りると森の中でした。
「ふう。森の中に隠れていよう。」ねりくんは地面まで降りて切り株に腰掛けました。ですが、変な声が聞こえました。
「あっ!こんな所にセンテェレングネリートが!」TTCV男性スタッフの声でした。
「?!」ねりくんは森の中、TTCV男性スタッフに妖精の羽根をつかまれました。
「キャッ!羽根つかまないで!破ける!」TTCVスタッフは、
「カメラカメラ!速く!確保した!センテェレングネリート確保した!」と、カメラマンを呼びました。スタッフに腕をつかまれて森から引っ張り出されるねりくん。そこはもみじ山の登山口でした。そこには25時間テレビ登山&マラソンのスッテーン掛山がいびきをかいて寝ています。ねりくんを捕まえたのは偶然近くに居たマラソンスタッフだったのです。そこへ空から天使のTTCVカメラマンもやって来て合流しました。
「げっ!放送しないで!カメラ撮らないで!」ねりくんは再び飛ぼうとしましたが両方の足にはTTCVマラソンスタッフがぶら下がっており重くて逃亡できません。
「センテェレングネリートは『かもとりごんべい』の鴨状態です!」天使のカメラマンはそう言って実況していました。
             
                 その436おわり        その437につづきます






個人的メモ:2018-0906点検済  


Posted by 樹廊 臣 at 04:25Comments(0)小説『中学生も色々と』